要旨
[目的]
維持透析患者にマリンオリゴペプチドの栄養投与を行い、肝臓および腎臓の機能や免疫機能に及ぼす影響を観察する。
[方法]
四川大学華西病院の維持透析患者50名を選択して、実験群と対照群に無作為に群分けを行った。
実験群はマリンオリゴペプチドを20g/日ずつ経口で投与した。対照群はホエイプロテインを20g/日で投与した。
二群の介入期間は15日間で、介入前後で体重身長測定、血液生化学および免疫学指標を計測した。
[結果]
最終的に実験を終えた被験者は38例、うち、実験群の21例で、対照群の17例。
実験群の介入例では、体重・身長測定、アルブミン、血中脂質、ヘモグロビンなどの指標を上げ、グロブリンを低下させた。が、有意差はなかった(P>0.05)。総蛋白、尿素、クレアチニン、その他の指標は低下し、その差は統計的に有意であった(P<0.05)。アラニンアミノ基転移酵素 (alanine aminotransferase(ALT)では介入後の測定値を明確に上げ、有意差が認められた(P<0.05)。対照群では介入前後の比較に、有意差は見られなかった(P>0.05)。
介入後、二群間の比較では、実験群のアスパラギン酸アミノ基転移酵素の値が対照群に比べ、有意に高かった(P<0.05)。介入後の免疫グロブリンの指標を上げたが、統計的に有意ではなかった(P>0.05)。
介入後の二群間の比較では、実験群のIgGが対照群より高く、有意差が認められた(P<0.05)。IgMとIgAの差は統計的に有意ではなかった(P>0.05)。
[結論]
マリンオリゴペプチドの維持透析患者に与える影響では、肝および腎機能、免疫機能などにいくつかの改善が見られた。また、その効果はホエイプロテインより優れていた。