[論文No.1001] マリンオリゴペプチドの化学療法後、悪性腫瘍患者の栄養状態と免疫機能への影響

要旨

[目的]
マリンオリゴペプチドが(化学療法を受けている)悪性腫瘍患者の栄養状態や免疫機能に与える影響を検討する。

[方法]
2013年3月~11月、「除外基準」に従って選択した悪性腫瘍化学療法患者66名を、実験群と対照群に33名ずつ無作為に分けた。通常の食事に基づいて、実験群と対照群は21日間それぞれマリンオリゴペプチドとホエー蛋白質を投与し、肝臓および腎臓の機能、栄養状態ならびに免疫指標を測定した。

[結果]
介入前後で二群の肝臓および腎臓機能と脂質パラメータの比較では有意差はなく(P>0.05)、すべて正常範囲内であった。
介入後の実験群のボディ•マス•インデックス(body mass index,BMI、上腕囲、上腕筋囲、総蛋白、アルブミン、グロブリン、アルブミン(prealbumin,PA)、トランスフェリン蛋白は介入前よりも有意に高かった(P <0.05)、ヘモグロビンおよび上腕三頭筋皮下脂肪厚は介入前後に有意差はなかった。
対照群では介入前後の様々な指標に対し、有意差は認められなかった(P>0.05)。
実験群のBMI、PAの介入前後の比較では対照群よりも高かった(P<0.05)。
が、2群間の他の指標の比較に有意差は認められなかった(P>0.05)。


[結論]
マリンオリゴペプチドは、悪性腫瘍化学療法患者に対し、窒素源の一部として使用された。患者の内臓蛋白質、身体計測などに特定の栄養改善効果が見られた。が、免疫機能に重要な影響は認められなかった、さらなる研究が必要と思われた。