[論文No.0053] 食品由来オリゴペプチドのin vitro試験での抗酸化活性における研究

要旨

【目的】

 工業生産した食品由来オリゴペプチドのDPPHラジカルの消去能とリノール酸自動酸化阻害能についてin vitroで調べた。

 

【方法】
■ DPPHラジカルの消去能力を測定
 20mgのDPPHを取り、体積分率95%のエタノールで溶解。等量の試験溶液を取り旋回し、30分後に95%エタノールを標準液にして、517nmの吸光度Aiを測定した。併せて2×10-4mol/LDPPH溶液と等体積の95 %エタノールの混合液の吸光度Ac、試験液と等体積の95 %エタノールの混合液の吸光度Ajの測定を行い、クリアランス率を求めた。
■ リノール酸エマルジョンシステム(Linoleic acid emulsion system)-ロダン鉄(Fe(SCN)3、FTC)法[9]
 1.5 mL 0.05 mol/LのPBSPBS(pH 7)にサンプル100μLを入れ、100μL 20mmol/Lリノール酸のエタノール溶液、,25μL 20 mmol/L FeCl2-EDTAを入れ、ワール分散器で旋回し、50 ℃の水浴で2時間保温し、2mL 75%エタノール中に100μLの反応液と100μLの30 % NH4SCN溶液を入れ、最後にFeCl2溶液(質量分率3.5%のHClで溶解)を入れ、ワール分散器で旋回、3分後に体積分率75%のエタノールを標準液に、480nmで溶液の吸光度を測定し、抗酸化活性を求めた。

 

【結果】
 何種類かの食品由来のオリゴペプチドは、DPPHラジカル捕捉活性を示し、ある程度の抗酸化効果を有していた。本実験条件では、卵白ペプチドと大豆ペプチドの50%阻害濃度IC50は、5.767 mg/mL、および6.268mg/mLで、強いDPPHラジカルの除去能力を示した。 
 リノール酸系酸化防止剤の抗酸化作用を脂質過酸化の抑制能力を測定する方法では、大豆ペプチドとマリンオリゴペプチドがリノール酸の酸化抑制率で、75.16%と58.69%に達し、良好な酸化防止活性を示した。緑茶抽出物(0.2 mg/mL) とTBHQ (0.02mg/mL)を比較すると、両方の阻害率は42.09%と73.59%で、二種類の実験方法を用いることで、食品由来オリゴペプチドの抗酸化活性能を、包括的、且つ迅速に評価することができた。

【結論】
 食品由来のオリゴペプチドは、質の良い抗酸化活性を有していた。また、それは自然食品から生成しているため、健康食品として期待される。ペプチドの高い抗酸化活性能が評価するための単一の方法は、未だないが、本実験に使用した2つの方法を組み合わせて、相補的に食品由来ペプチドの抗酸化活性能をin vitroで評価することができた。各種の食品由来オリゴペプチドは、それぞれ異なる特徴を有した抗酸化能を保持していた。