[論文No.0022] マリンオリゴペプチドのラット帝王切開傷口に対する治癒促進作用

要旨
【目的】
 マリンオリゴペプチドの投与が帝王切開後のラットの創傷治癒におよぼす効果について検討する。

【方法】
 妊娠第19日目のSDラット96匹に帝王切開を行い、マリンオリゴペプチド投与群(0.13,0.38,1.15g/(kg・bw)と陰性対照群の4群に無作為に分けた。
手術後、第7日目と14日目および21日目に、各群8匹のラットを剖検し、創傷治癒の状況を観察すると共に、皮膚切開部と子宮切開部の引っ張り強度とヒドロキシプロリン含有量を検出した。

【結果】
 マリンオリゴペプチド高投与量群(1.15g/kg・bw)ラットの皮膚切開部におけるヒドロキシプロリン含有量は、術後の三期間すべてにおいて陰性対照群より有意に高かった(p<0.05)。第7日目および第21日目、高投与量群(1.15g/kg・bw)の皮膚張力は(354.45±200.45)、(978.23±20.40)g/mm2、子宮圧力は(874.63±293.51)、(818.20±227.52)mmHgであり、陰性対照群の皮膚張力(165.44±29.28)、(379.21±171.46)g/mm2と子宮圧力(684.52±220.16)、(511.92±86.48)mmHgに比較して有意に高値を示した(p<0.05)。第21日目、中投与量群(0.38g/kg・bw)の皮膚張力は(936.59±56.27)g/mm2で陰性対照群ラットより有意に高値であった(p<0.05)。

【結論】
 マリンオリゴペプチドは創傷部皮膚のコラーゲン生成を促促し、帝王切開術後のラットの創傷治癒に促進効果を齎したことが確認された。