[論文No.0018] マリンオリゴゲンペプチドの糖尿病モデルラットの脂質代謝と抗酸化への影響

要約
【目的】
 マリンオリゴペプチドが、アロキサンにより誘発した糖尿病モデルラットの血清脂質ならびに抗酸化能レベルに与える影響を観察する。
【方法】
 SDラットの腹腔にアロキサンを注入し、糖尿病モデルラットを製作し、マリンオリゴペプチドの低、中、高投与量群および糖尿病型陽性対照群に無作為に群分けを行った。マリンオリゴペプチドを、低、中、高投与量の各群に、0.225 g/kg.BW、0.450 g/kg.BW、1.35 g/kg.BWずつ、また、同量の蒸留水を陽性対照群に投与した。また、正常高投与量群と正常陰性対照群を設置し、マリンオリゴペプチド1.35 g/kg.BWおよび同量の蒸留水を連続して8週間の投与を行った。その後ラットの尾から採血し、血清脂質(TG、TC、LDL-C、HDLC)と抗酸化指標(MDA、SOD)の測定を行った。
【結果】
 実験開始時(0週)、マリンオリゴペプチドの各投与群ラットのTC、TG、MDAレベルは正常陰性対照群と比較して明らかに上昇した。また、HDL-C、SOD指標は有意に低下したく(P<0.05。しかしながら、糖尿病型陽性対照群と比較すると有意差は無かった。介入8週間後、マリンオリゴペプチドの各投与量群の血清TCレベルを正常陰性対照群と比較すると明らかに高かった(P<0.05)。しかし、TGレベルを正常対照群と比較すると有意差は見られなかった(P>0.05)。4週末に、低および高投与量群のHDL-Cは明らかに上昇し、さらに、正常陰性対照群と比較しても有意に高かった(P<0.05)。LDL-Cは実験前後、各群間で有意差はなかった。各投与量群のSOD活性は正常陰性対照群に比較すると有意に低下した(P<0.05)。MDAレベルは正常陰性対照群より高く、糖尿病陽性対象群より有意に低下した(P<0.05)。
【結論】

 マリンオリゴペプチドは、アロキサンの誘導により製作した糖尿病モデルラットの脂質代謝を効果的に改善した。同時に、一定の抗酸化作用により、抗損傷効果も確認された。糖尿病モデルラットには過度の損傷が残り、本結果からは、さらなる研究が必要と考察された。