[論文No.1043] 小麦タンパク質のAlcalase(アルカラーゼ)加水分解物の免疫ペプチドについての研究

要旨
【目的】
 Alcalaseアルカリプロテアーゼを用いて小麦タンパク質を加水分解法により単離し、小麦ペプチドを生産する方法について研究を行った。

【方法】
■次の各方法を用いて原料成分の分析を行った。
 ①水分量測定:105℃で一定重量法GB5497-85; ②粗タンパク質含量判別:ミクロケルダール法GB5511-85; ③脂肪含有量の決定:ソックスレー抽出法GB5512-85; ④灰分判別:550℃燃焼方法GB5505-85。温度、pH、基質濃度、酵素用量および時間による酵素の加水分解過程に及ぼす影響を分析した。また、直交実験を通じて酵素Alcalaseが小麦タンパク質を加水分解する最適なプロセスパラメータを探索した。
■小麦ペプチド生産技術の最適化について次のとおり調べた。
 ①加水分解条件の最適化 ②加水分解物の分子量分布測定。処理パラメータは酵素剤22.5μL/ g、pH値9.5、温度60℃、基質濃度4%、反応時間100分、加水分解度18.63 %で行い、イオン交換樹脂の電荷の初期設定に基づいて、4橦のペプチド混合物を産生した。
■小麦ペプチドの予備スクリーニングと免疫活性の同定。
 強酸性陽イオン交換樹脂による加水分解物の初期分離カラムによる溶出。in vitroでマウス脾臓リンパ球の増殖反応(MTTアッセイ法)に基づき小麦ペプチドの免疫活性を検査した。②分離されたコンポーネントの免疫活性の同定を行った。

【結果】
 小麦タンパク質の主な成分は、タンパク質:79.16%±0.72%、脂肪: 0.89%±0.02%、水:6.75%±0.23%、粗繊維:3.21%±0.11%で、直交実験の結果の分析では、アルカリプロテアーゼが小麦タンパク質を加水分解する最適な酵素投与量:22.5μL/ g、pH値:9.5、温度:60℃、基質濃度:4%、反応時間:100分で在った。

【結論】
 in vitroでのマウス脾臓リンパ球の増殖(MTT法)反応により、初期の免疫活性を同定した結果は、pH8とpH10の場合に溶出し、コンポーネントはin vitroでマウス脾臓リンパ球の増殖を明らかに促進させた。ペプチドの免疫活性効果とペプチド鎖の電荷状態が関与することを再確認した。