[論文No.1030] マリンオリゴペプチドの免疫力増強機能における動物実験報告

要旨
【目的】
 マリンオリゴペプチドによる免疫機能の強化について研究を行った。

【方法】
 体重18~25g、第6~8周齢の健康な雌性2級ICRマウス192匹を選別し、陰性対照群とマリンオリゴペプチドの低投与量群、中投与量群、高投与量群の4群に、各群48匹ずつに群分けを行った。マリンオリゴペプチドは、0.225g/kg.bw、0.45g/kg.bw、1.45g/kg.bwの3濃度に調製し、各実験群マウスに0.1ml/10g.bwを毎日1回、人推奨用量の(2.7g/60kg.bw/d)5倍、10倍、30倍となるよう、30日間継続して強制経口投与を行った。各群をさらに4群、12匹ずつに分け、第1サブグループには免疫器官/体重比、DTH、IgM-PFC、HC50の各測定を行った。第二サブグループはカーボンクリアランス実験を、第三サブグループは腹腔マクロファージ鶏赤血球の食作用実験を行った。第四サブグループはConAでマウスの脾臓リンパ細胞の増殖機能とNK細胞活性の測定を行った。

【結果】
 マウスにマリンオリゴペプチドを経口投与して30日後、実験結果のとおり、陰性対照群に比べて、マリンオリゴペプチドの投与群マウスはConAで刺激したリンパ球の増殖能力を著しく高めた。腹腔マクロファージのニワトリ赤血球への食作用および食作用指数を有意に上昇させた。中•高投与量群の抗体産生細胞(IgM抗-PFC)の数量および遅延型過敏症(DTH)実験では足浮腫度を大幅に増加させた。カーボンクリアランステストではクリアランス速度とクリアランス指数を有意に高めた。

【結論】
 各群では、NK細胞活性に有意差はなく、以上の結果は、マリンオリゴペプチドが体液性免疫機能ならびにマクロファージの増殖機能に有意な推進作用を齎したことを示した。