[論文No.1015] マリンオリゴペプチド投与による高強度遠心運動負荷後ラットの高強度骨格筋結合蛋白質発現に対する影響

要約
【目的』
 マリンオリゴペプチドの投与により、骨格筋細胞のデスミン蛋白質の発現に及ぼす影響を調べ、マリンオリゴペプチドの骨格筋損傷修復のメカニズムについて研究を行った。

 

【方法】
 72匹の雄性SDラットを安静群、運動負荷群、運動負荷+大豆蛋白投与群と運動負荷+マリンオリゴペプチド投与群に分け、計6週間、毎週5日間ずつ、-5度で坂下り間歇ランニング負荷運動をさせた。負荷速度は20m/分から35m/分まで上がり、10~20分間/回行った。6週間後、ラットを1回の高強度遠心運動負荷後の0時間、24時間、48時間に解剖を行い、免疫ブロット法にて中間広筋のデスミン蛋白の発現量を測定した。また血清中のCK酵素活性も測定した。

 

【結果】
 マリンオリゴペプチド投与と大豆ペプチド投与によりデスミン蛋白の発現量は増加し、さらにマリンオリゴペプチド投与群による運動負荷後のデスミン蛋白発現は大豆ペプチド投与群より明らかに有意に増加した。
 マリンオリゴペプチド投与と大豆ペプチド投与によりCKの骨格筋細胞からの逸脱を顕著に減少させ、血清中のCK水準を低下させた。また、大豆ペプチド投与よりマリンオリゴペプチド投与の方が運動後の血清CK活性は速やかに回復した。

 

【結論】
 マリンオリゴペプチドの投与は、高強度の伸張運動に対し、ラット骨格の微細構造を維持させただけでなく、運動による微細構造の損傷に対し、骨格筋の修復を促進させた。