みなさま、こんにちは。
前回の対談では、研究所長の陳少言先生に、ペプチドが「なぜ美味しくないか」という話をしていただきました。
他社製品と比較して「飲みにくい」と感じている方もいらっしゃいますが、当社のペプチドは、栄養食品として「最大の効果」を届けるために、アミノ酸の数を限定し、エネルギーを用いることなく吸収できるように「最小限に手を加えた」状態でお届けしていることをおつたえいたしました。
あなたが、お好みの飲み方を見つけて、継続して飲んでいただくことで効果は上がります。
今回は引き続き研究所長の陳先生に、コーンオリゴペプチドについての話をお願いしました。
1.なぜ、コーンをペプチドに?
前原:
陳先生、こんにちは。
研究所には、複数のペプチド製品がありますが、今日はコーンオリゴペプチドについて教えてください。
そもそも、なぜトウモロコシをペプチドにしようと考えたのですか?
陳:
トウモロコシ、つまりコーンは、土地を選ばないため広範囲に植えることができます。
そのため生産量を確保することが可能です。
また、コーンはすでに多くの国で農産物として栽培されており、世界では主な食料の一つになっています。
前原:
そうですね。
コーンは、米国で約3億トン、中国で約2億トン、ブラジルやEUでも約5,000万トンが生産されていますし、生産量は年々増加しているようです。
陳:
もともと、コーンペプチドは「世界の食糧問題をいかに解決するか」というニーズから開発されました。
つまり、世界の食糧事情をどう変えるか、ということです。
生産量の確保が可能で、すでに大量栽培されているコーンから、効率よく栄養吸収ができるようになれば、より早く食料問題の解決に繋がります。
前原:
なるほど。
コーンは栽培しやすく、生産量がすでに確保できていることから、食糧問題を早期に解決できる食材だったということですね。
食料問題の早期解決を目指して、すでにあるもの(=コーン)に着目されたわけですね。
では、コーンの開発の経緯を詳しく教えていただけますか?
陳:
これまで、コーンの中身は利用されてきましたが、コーンの皮は固いので捨てられていました。
コーンの粒は、タンパク質が皮にあることは知っていますか?
前原:
えっ、しりませんでした。
コーンの中身ってなんでしょう?
2.コーン粉ってどんなもの?
陳:
みなさんが食べているコーンの黄色い粒は、胚乳と胚芽、種皮から成り立っています。
胚乳と胚芽はやわらかく、消化・吸収ができます。では、皮はどうでしょうか。
コーンの粒を食べると、消化されずにそのまま排泄される経験は皆さんにもありますね。それは種皮が硬くて、消化されないからです。
前原:
なるほど。わかりやすいご説明、ありがとうございます。
陳:
さらにわかりやすいように、コーンの成分について、コーン粉と小麦粉を比較しながら説明しましょう。
小麦粉は、小麦を挽いて作った粉で、うどん、パン、パスタ、ケーキなどによく使われています。
小麦粉は、強力粉と薄力粉に区別されていますが、その違いはタンパク質の量、つまりグルテン含有量の違いです。
グルテンの量が多いものは、強力粉と呼ばれ、粘り強い。
グルテンの量が少ないものは、薄力粉と呼ばれ、粘りはそれほど強くない。
しかし、どちらも捏ねるとつなぎができて、ネバネバになります。
その粘りの成分が、タンパク質です。
前原:
小麦粉には、強力粉と薄力粉の2種類がありますが、どちらにもタンパク質が入っているということですね。
陳:
そうです。
一方、コーン粉は、コーンの粒の胚乳と胚芽から作られ、こちらもパンやケーキによく使われています。
前原:
そうですね。コーンの粉は、コーンミールとして売られています。甘くて人気があります。
陳:
コーンミールは、小麦粉と違い、どれだけ捏ねてもパサパサのままで塊にならないんです。
これは、コーンミールにタンパク質が入っていないからです。
前原:
コーンは主食として摂取されているのに、タンパク質は入っていないのですか?
陳:
正しくは、主な中身である胚乳にタンパク質がないのです。
コーンのタンパク質のほとんどは、コーンの皮にあります。
しかし、コーンの皮は固くて吸収できないため捨てられていました。
(修正者説明:実は胚芽にはタンパク質が少し入っていて、しかも消化されると考えられる。)
3.甦れ、コーンの皮
前原:
コーンは主食として食べられていますが、タンパク質のほとんどは皮にあるため摂取されていない。
とてももったいないですね。
コーンの皮には、食用以外の用途はないのでしょうか。
陳:
残念ながら。
コーンの皮はヒトだけでなく、豚などの家畜も消化できません。
コーンミールの製造過程では、何万トン何千トンとコーンの皮が大量に出ます。
その一部を発酵させて、植物の肥料にすることはありますが、家畜の飼料にはならないため、多くはゴミとして焼却してきました。
その廃棄されているコーンの皮を利用することで、食料問題を解決したいと思いまして。
前原:
なるほど。
コーンの皮は、消化できないため大量に捨てられていた。
捨てられていただけではなく、捨てることに困っていたコーンの皮を、科学の力でペプチドにすることで甦らせたということですね。
陳:
そうです。ペプチドは、科学の力によって生産が可能になりました。
当社ではコーンの開発前にアミノ酸を分解する技術はできていましたが、それでもコーンオリゴペプチドの満足な成果を得るためには、3・4年の時間を費やしました。
コーンペプチドは、当社ではペプチド開発の第2第3弾の開発にあたります。
4.科学を次ぐ使命
陳:
このように科学を使って社会問題を解決することは、科学者の使命だと考えています。
前原:
科学者の使命?
研究所と研究者の使命であるということでしょうか。
コーンオリゴペプチドは、食料問題を解決するために科学の力を用いて開発されたということはわかりました。失礼に当たるかもしれませんが、質問させてください。
陳先生は、医学博士であり、科学者であるということでしょうか。
陳:
わたしは、科学者とは言えないと思っています。
一生を捧げて、何生も捧げて、意味もないように見えることを研究することが科学であるとするなら、私たちは「科学者の次の者」ですね。
前原:
次の者とは?
陳:
「科学者の研究成果を利用して、社会に役立つように普及させることを使命とする者」です。
科学者と技術者の間の者、というように理解していただければと思います。
例えて言うなら、科学者と技術者は視点の違いから、“違う言語”を使っています。そのため、それぞれの言葉を翻訳して繋ぐ必要がある。
そういう意味で、科学者の研究成果と技術を繋げ、広く深く社会に還元することが研究所の使命です。
前原:
なるほど。
科学者と技術者の間を研究所が繋ぐことで、食糧問題解決の糸口をつかんだということですね。
さらに、この開発は、コーンとヒトを繋ぐ手助けをしたとも言えるのではないでしょうか。
陳:
そうありたいですね。
それでも、ヒトはまだコーンと出会っていないと言っても過言ではありません。
前原:
え???
6.ヒトとコーンとの出会い
前原:
わたしは、よくコーンバターを食べますし、コーンスープも大好きです。
世界でも、コーンはよく食べられています。
それでも「出会っていない」とはどう理解すれば良いのでしょうか。
陳:
「出会っていなかった」というべきでしたね。
地球が誕生したのはおよそ46億年前、ヒトが誕生したのはおよそ700万年前と言われています。
ヒトは、300年から400年前にコーンを発見しましたが、地球の誕生からすれば、ほんの一瞬ですね。
しかも、発見されてからの300年が経ちましたが、ヒトの消化器はコーンの皮を消化できていない。
消化できないということは、コーンのたんぱく質を吸収できていないということです。
つまり、コーンペプチドが開発されるまで、本当の意味では、ヒトはコーンと出会ったと言えないということです。
前原:
地球や人類の歴史からすれば、短い期間ということはわかりますが。
300年は長いように感じます。
陳:
ここでは、長いかどうかではなく「出会っていなかった」ということに着目してください。
ヒトの身体にとってコーンのタンパク質は未知であった。
つまり、コーンのタンパク質は、アマゾンの秘薬のように、どんな効果が現れるか予測ができないということです。
前原:
アマゾンの秘薬ですか。
何かすごい効果を期待してしまいますね。
陳:
そうです。
ヒトが初めて出会うタンパク質です。だから、予測できない生理機能が促進される可能性があります。
7.コーンとの出会いで得たもの
前原:
なるほど。
ペプチド化することによって、ようやくコーンのタンパク質と出会えた私たちですが、コーンオリゴペプチドにはどのような効果がありますか。
陳:
コーンの代表的な効果といえば、アルコール分解促進効果、肝臓保護作用、血圧を下げる効果。
そして、筋疲労の回復促進効果や筋肉の損傷予防、筋肉の修復増強などです。
前原:
研究所では、数々の研究に取り組まれ、その効果を証明されておられるようですね。
次回はコーンオリゴペプチドの「アルコール分解促進効果」について聞かせていただけますか。
本日は、ありがとうございました。