[論文No.0027] マリンオリゴペプチドのSAMP3マウス記憶力減退予防作用における研究

要旨
【目的】
 マリンオリゴペプチド(MCP)が認知性に於ける学習・記憶能力の低下に及ぼす影響とそのメカニズムについて研究を行った。

【方法】
 6ヶ月齢のSAM P8マウスを4ヶ月間、0、0.225%、0.450%、1.350%の各MCPを混ぜた特別飼料で飼育した後、マウスの空間学習、ならびにモリス水迷路試験により記憶能力を観察し、ニッスル染色した海馬ニューロンの状態を調べ、海馬脳由来神経栄養因子(BDNF)の発現を検出した。陰性対照群としてSAM P8マウスに通常成長飼料を与えた群と正常マウスに通常成長飼料を与えた群との比較に基づく分析を行った。

【結果】
 0.44%と1.32%のMCP介入群でSAMP8マウスの学習・記憶能力の低下を有意に抑制することができた。ニューロンの過度の損失を防ぐために、脳由来神経栄養因子の発現を促進させたことが重要なメカニズムとして着目された。

【結論】
 マリンオリゴペプチドの4ヶ月間の投与は、SAM P8マウスの学習・記憶機能の低下を抑制させた。同時に、その効果はアンチエイジング関連の機能性食品として、マリンオリゴペプチドの新たな可能性を示した。