要旨
【目的】
生体外実験で抗酸化能を有することが実証されたマリンオリゴペプチドについて、2型糖尿病ラットの血清の酸化ストレスマーカーへの影響を観察、検討する。
【方法】
無作為化対照動物実験を2006-10/2007-06で深圳市疾病予防コントロールセンターの動物実験室で完了。
無作為に36匹の雄性SDラットを選び、6匹を正常対照群として、一般飼料で飼養。他の30匹を高脂肪食で飼養した。4週間後、小用量のストレプトゾトシンを腹腔内に注入して、2型糖尿病モデルを誘発した。24匹のモデルラットを4群に分け、マリンオリゴペプチドを各0.75, 1.5, 3.0g/(kg•d)ずつ4週間、経口投与を行った。陽性対照群の糖尿病群と正常対照群は4週間、水道水を経口投与した。介入前と介入4週間後の各群ラットのグルコースレベル、介入4週間後、各群ラットの血清スーパーオキシドジスムターゼ、マロンジアルデヒド、グルタチオン、NO、過酸化ストレスパラメーターの変動を調べた。
【結果】
介入4週間後、マリンオリゴペプチド投与群の血糖値が糖尿病群より低下したが、その差は有意ではなかった(P> 0.05)。正常対照群に比較して、血清スーパーオキシドジスムターゼ、グルタチオンのレベルが低下し、マロンジアルデヒド、NO濃度は増加した(P <0.01、0.05)。マリンオリゴペプチド3.0, 1.5g/(kg•D)血清スーパーオキシドジスムターゼ、還元型グルタチオンのレベルは糖尿病群よりも高かった。マロンジアルデヒド、NO濃度は糖尿病群より有意に低下した(P <0.01、0.05)。
【結論】
マリンオリゴペプチドの高投与量[≥1.5g/(kg•D)]群では、2型糖尿病ラットと高血糖、高脂肪食ラットの酸化ストレスマーカーの過剰を有意に改善することができた。が、血糖値低下効果については、低下したものの、その差に有意差はなく、更に検討するために、介入時間を増やす必要が着目された。