[論文No.0035] マリンオリゴペプチドの経口投与による人皮膚の保水力および肝斑への影響

要旨 
[目的]
マリンオリゴペプチドの経口投与による人皮膚や肝斑に及ぼす影響について研究を実施した。

[方法]

年齢30~65歳、皮膚水分≤12の被験者100名と年齢18~65歳、顔に肝斑がある被験者100名を、それぞれ無作為に介入群と対照群に分け(各50名)、皮膚の水分改善試験、ならびに肝斑を除去する試験を行った。被験者は、毎日マリンオリゴペプチド2.7gを摂取し、試験前後に皮膚の保水量、および肝斑の面積と色の測定を行った。30日後、被験者の疲労感、神経過敏、不眠症、乾燥状態等、症状の変化を観察した。血液一般検査、尿・便検査および血液生化学検査指標を分析した。


[結果]

乾燥肌を持つ被験者は、マリンオリゴペプチドの経口投与後、皮膚の水分量が(7.48 ± 2.39)から(8.68 ± 3.15)へ増加し、有意に改善された(P<0.05)。陰性対照群と比べ有意差があった(P < 0.01)。が、皮脂とpHへの影響は無かった(P >0.05)。顔に肝斑のある被験者は、マリンオリゴペプチドを投与後、肝斑の色カード値を平均(0.35 ± 0.38)度減少させた。肝斑の面積も平均(4.70 ± 8.01)cm2縮小した。試験前に比べ、二項目の指標で有意に改善された(それぞれP < 0.01)。陰性対照群と比べ、有意差があった。試験期間中、被験者は、疲労感や不眠症、肌の乾燥やその他の症状を有意に改善させた。が、血液の一般検査、尿・便検査、血液生化学検査の結果に、有意差は認められなかった。アレルギー反応も無かった。


[結論]

マリンオリゴペプチドの経口投与は、皮膚状態を改善させ、肝斑を薄くした。また、疲労感、神経過敏、不眠症、皮膚の乾燥などの症状を改善するのに役立った。