要旨
【目的】
マリンオリゴペプチドを長期間服用した場合の人寿命に与える影響について研究するため今回はラットを用いて実験を行った。
【方法】
4週齢のSDラット160匹を選択し、無作為に陰性対照群と3群のMCP投与量群に雌雄各20匹ずつに群分けを行った。陰性対照群の飼料を標準飼料とし、他の投与量群には2.25%、4.5%、9%のマリンオリゴペプチドを餌に添加し、ラットが自然死するまで飼養した。
ラットの体重、飼料摂取量、食品の利用率を記録し、血清中の抗酸化指標について、6ヶ月毎にスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、グルタチオンペルオキシダーゼ(GSH-PX)活性ならびにマロンジアルデヒド(MDA)の測定を実施した。
【結果】
生存分析の結果、3用量の各MCP投与量群ラットの生存期間の平均値は、特に、最終30%のラットの生存時に、陰性対照群に比較して有意な延長が確認された。介入実験後の18ヶ月、24ヶ月後、4.5%、9%MCP投与量群の血清SODおよびGSH-Px活性は雌雄、双方のラットで有意に高かったが、MDAレベルは陰性対照群より有意に低かった。
【結論】
本研究では一定用量のMCP投与による長期的な介入が、ラットの生存期間を有意に延長させた。一定用量のMCP長期投与がSDラットの老衰化過程に抗酸化能を増大させたと考察された。