要約
【目的】
マリンオリゴペプチド(MPP)と霊芝多糖類(GLP)の複合剤の放射線防御効果について、また、そのメカニズムを探求する。
【方法】
MPP [1.35Og/kg(bw)、GLP 0.025g/kg(bw)、および双方の複合剤0.450g/kg(bw)[MPP+0.025g/kg(bw)GLP]を、Coy放射線マウスに30日間連続投与して、その生存率と生存時間、末梢血白血球数、ならびに骨髄細胞のDNA含有量、スーパーオキシドディスムターゼ (Superoxide dismutase, SOD)活性やConAおよびLPS誘導によるリンパ細胞増殖因子分泌能力、血清細胞レベルへの影響について分析を行った。
【結果】
マウスにMPP、GLPおよび双方の複合剤を経口投与後、放射線照射を行ったマウスに30 日間連続投与を行った結果、その生存率および生存時間を有意に増加させた。白血球およびDNA損傷の回復状態を促進させ、血清中SODの抗酸化酵素活性を向上させた。また、放射線により抑制されたTおよびBリンパ細胞を増殖させた。結果として、細胞免疫および液性免疫機能をある程度改善させた。
【結論】
実験により、炎症性サイトカインIL-I、および免疫抑制性サイトカインIL-10の分泌が減少し、免疫刺激性サイトカインのIL-2とIFN-γ‐yの分泌が促進された。本結果より、マリンオリゴペプチドおよび霊芝多糖類、ならびにその複合剤には放射線障害に対し、補助的な保護効果のあることが確認された。