みなさん、こんにちは。
今年の十三夜(じゅうさんや)は綺麗に見えましたね。
えっ、ご覧にならなかった?
それは残念でした。
十三夜とは、十五夜の1か月後に巡ってくる名月のことで、今年は10月13日でした。
中秋の名月の後なので、「後の月(のちのつき)」と呼ばれたりします。
日暮れは一日一日と早くなり、眺める月に秋の夜長を感じる今日このごろ。
みなさんは、どんなことを考えて過ごされているのでしょうか。
ふと『生老病死』について考えた日があります。
誰もが避けることのできない、この世の人間の『 4種の苦悩』
このうち、人間にとって一番の苦悩って何でしょう。
最近、神経難病と言われる人たちと話す機会がありました。
神経の病気の中ではっきりした原因や治療法がないもので、脳や神経が傷ついて、次第に筋肉や感覚が麻痺し、動くことだけでなく、呼吸することや目を閉じることが難しくなったりする病気です。
ある人は、こう教えてくださいました。
「大好きだった運転ができなくなったこと」
それは、ひとりでトイレに行けないことよりも辛いことだそうです。
ある人は、こう教えてくださいました。
「やりたいと思えることがなくなったこと」
それは、できることがなくなったことよりも苦しいことだそうです。
そして話すことが出来なくなり、目の玉を動かすことでコンピューターを使って話をしているある人は、こう教えてくださいました。
「人を笑わせることができなくなったこと」
冗談にはテンポが必要です。冗談と認識して反応してくれないことは、自分が声を出して笑えなくなったことよりも寂しいことだそうです。
また、ある人は、こう教えてくださいました。
「人から違うと思われること」
身体の一部分が人と同じ形をしていないことが、とても悩みの種だったそうです。
しかし、こうも教えてくださいました。
義足は『隠す義足』から、『見せる義足』に変わってきていること。
義足をおしゃれとして楽しむ。
例えば、短いズボンをはいて、幾何学模様のオレンジ色の義足をつけるように。
誰もが避けることのできない、この世の人間の『 4種の苦悩』とともに
苦悩は日常の中に、身近に潜在して顕在化していました。
そして、苦悩は時間や環境によって変化しています。
苦しみ悩むこと。
さて、私の苦悩は何だったかしら?
仕事。 成績。 病気。 人間関係?
あなたの苦悩は何ですか。
その苦悩をありのまま受け止めてくれる人は、傍にいますか?
それでは、みなさんの苦悩が誰かと共にあり。
苦悩によって、充実した夜を過ごせますように。
どうぞ、夜が長いときは空を見上げてくださいませ。
研究員 前原なおみ