吉野考(吉野に学ぶ本物学)

みなさん、こんにちは。

5月。連休の取りやすい月ですね。どのように過ごされましたか?

わたくし、奈良県は吉野山に行ってまいりました。

久しぶりの遠出・・・というほど奈良は遠くありませんが、それでもお出かけはワクワクするものです。

なぜか3時30分には目覚めてしまいました。まるで小学生の遠足ですね~( ´∀` )。

そこで4つの「吉野マジック」に出会いましたよ。

 

1つ目。吉水神社からみる「一目千本」です。

 

一目千本といえば、ついつい桜1000本を想像しますが、桜には遅いこの日は新緑1000本でした。

あいにくお天気は、霧雨が降ったりやんだり。

そのおかげで、樹々から発せられる靄は「仙人がひっそりと暮らしているのではないか?」と思うほどに幻想的なマジックでした。

 

2つ目は、吉野のさくらは吉野桜でなかったというびっくりマジック。

 

いまや日本で桜と言えば、その8割を占める「ソメイヨシノ(別名:吉野桜)」が連想されます。

しか~し、ソメイヨシノが誕生したのは1750年頃のことで、江戸の染井村(現在では東京都豊島区駒込)で植木業者がエドヒガン系サクラとオオシマザクラの交配で生みだし、売るために桜の名所であった「吉野」の名前をつけて「吉野桜」と呼んだのが始まりだそう。

吉野山のサクラはヤマザクラで、ソメイヨシノとはまったく関係がないなんて・・・。

ふふふ。

おそるべし偽ブランド商法! 

260年前の江戸商人の魂に一本取られました。

 

3つ目は、吉野本葛マジック。

 

(^^)なななんと、吉野葛の店頭に「賞味期限10分」の文字が~。

研究員の血が騒ぐ??

調理実演付きで、その場で吉野本葛をいただいてまいりました。

吉野葛ではなく吉野本葛っ。

吉野葛とは、葛50%とサツマイモ等のでんぷんを50%加えたもの。

そして、葛が100%のものだけを「吉野本葛」と呼ぶのだそう。

勉強になりました。

注文してから作っていただく本葛は熱湯で水と結合し、あらら・・・。

あっという間に、目の前から消えてなくなりました。

期限10分という本物(^○^)を一度ご賞味あれ。

透明魔法と、つるんっとした歯ごたえに大満足でした。

 

さて、最後は五月晴れマジック。

翌日は気持ちのよい晴天となり、「五月晴れ~」と思っていました。

しかし、五月晴れとは、6月の梅雨前に日本列島が大きな移動性高気圧に覆われたときの晴れ間のこと。

五月にはみられないのが、五月晴れ。

 

吉野には、『本物』と『本物?』が存在していました。

でも、本物がすべてよいというわけではなく。

何が本物かわからなくもなりましたが、それは旅の醍醐味ですね。

日常を離れて、常識を疑ってみる5月となりました。

 

さて。今日みなさまの手にされている『ソレ』は本物です。

その想いも、本物ですか?

それではみなさん、本物を疑いつつ、爽やかな5月をお過ごしください。