健康食品の利用について

2014年4月10日

 

健康食品の利用について

 

   『死ぬまで元気で生きたい。』少し奇妙な表現ですが、高齢になりますと、私自身を含め、誰もが願うことかと感じます。日本は世界史上初の高齢化社会に突入しました。そんな社会情勢を背景に、近年、健康食品の利用が非常な脚光を浴びています。各人にとってどのような活用方法が最も望ましいのか、この場所で少し、再考願えれば幸いです。

 

■  平均寿命と健康寿命の開き

   平均寿命、世界No.1を誇る日本ですが、平成22年度の厚生労働省の調査では、健康寿命との間に、残念ながら、まだ10年もの開きが現存しています。私自身に置き換えますと、十年という歳月が、果てしもなく重く感じられてなりません。



コラム2 140414



  健康食品の利用状況

   『健康や美容』への求心力の伸びに対し、2013年のサプリメント市場は、約1兆2100億円と、前年に続き進展し、現在、消費者の約6割の方が何らかの健康食品を購入しています。



コラム3 140414

  健康食品と言えば、通販が主流かと思いきや、上記のように店舗流通の割合が更に高く、この視点からは、健康食品の上手な利用や活用方法について、一人では決めかねている、或いは相談したいと思われている、若しくは、沢山有りすぎて、手軽に購入をしている等の方が多いようにも推察されます。

 

   健康には、日々の食事が基本だとわかっていても、なぜ、健康食品をこれ程多くの方が利用するのでしょうか。遺伝子解読をはじめとする科学技術の進歩や幹細胞の研究の進展等々、従来の医学とは別に、いつまでも若く健康でエネルギッシュに生きることが期待し得るような情報が氾濫し、それが、薬ではなく食品という名目で、手軽に試用することができる環境が一つの誘引になっているようにも思われます。


■ 消費者委員会アンケートより

   平成24年5月に、消費者委員会による大規模なアンケートが実施されています。一部、ご紹介したいと思います。

( http://www.cao.go.jp/consumer/iinkai/2012/088/doc/088_120518_shiryou1-2.pdf  )

 

調査対象は日本に居住する20歳~79歳までの「健康食品」利用者10000名です。調査は、平成24年2月28日~同年3月5日に実施されました。

 

   下表は、その予備調査30000人を対象とした健康食品の利用頻度です。約60%の方が健康食品を利用しています。若い年齢層の方もかなり利用されています。

 

コラム4 140414

 

   また、その内、約60%の方が、その健康食品に満足していると回答しています。

 コラム5 140414

 

見過ごせない部分としては、2.3%という僅かな値ではありますが体調が悪くなったと回答されている方がいらっしゃいました。

 

コラム6 140414

 

   ここで、健康食品をどのような体調の方が利用されているのかと見ますと、病院にかかり、投薬を受けていらっしゃる方が約40%もいました。

 

コラム7 140414

    健康食品を召し上がる際に、最も注意しなければならないこととして、薬との併用、または健康食品の複数の併用が挙げられています。ビタミン剤だから大丈夫なんてお思いではないでしょうか。

  併用に関して、最近では、病院や薬局等で説明や注意を受けますが、あまり相談したくない個人情報が含まれる場合もありますので、何となくうまく相談できなかったとおっしゃる方に、念のため、健康食品で注意すべき成分や医薬品との相互作用について、下記に一般的なものを纏めました。「健康食品による健康被害の未然防止と拡大防止に向けて」と題し、厚生労働省、日本医師会、(独)国立健康・栄養研究所から出ている情報です。気になる方は、ぜひ一度ご確認下さい。

 

コラム資料1 140415

 

コラム資料3 140415


コラム資料2 140415

■  いつまでも、元気な毎日を目指して

 

  恥ずかしいばかりですが、私自身を振り返りますと、幼少から決して丈夫とは申せませんでした。だからこそ、人一倍健康にも興味を持つようになったのかも知れません。

自身で弱いなと感じる方ほど、日々のうがいや手洗い、散歩を愉しむように少しの運動を心がけたり、良い姿勢を心がけたり、時折身体をゆっくりと伸ばしたり、足腰を温めたり等と、僅かな積み重ねが意外な程の効果を発揮したりします。先ず、毎日一度、ほんの些細なことで大丈夫です。個々のペースで健康に良いことを、何か一つ、今日から一緒に実行してみましょう。年を重ねる程に、その意識が、ちょっと違う明日をきっと創ります。

 

 健康維持の基本は、何といっても、日々の食事に在ります。健康増進には、食事・運動・睡眠の三つのバランスが最も重要とされています。近年、肥満や成人病といった言葉とはうらはらに、サルコペニアやPEMといった高齢者の低栄養もよく指摘されています。毎日、お肉やお魚、卵等のタンパク質も、バランス良く、楽しんで食べる習慣を心がけることが一番のようです。

 

  食の進まない時には、スープ等、滋養を大切に、美味しく召し上がってみて下さい。スープには最良のエキスが含まれています。また、肥満が気になる方には、少し手間かも知れませんが、普段より、もう一品の野菜が励唱されます。野菜炒めや菜葉の煮物、大根おろしやトマト、きゅうり、レタス等、何でも大丈夫です。簡単にできて、しかもヘルシーなものを薄味で、普段の献立より一つ多めに作って食卓に並べ、ゆっくりと食べるようにして下さい。食物繊維も普段より多く摂れますし、主食の食べ過ぎを防ぎます。或いは、カロリーを抑えながら食事の満足感が望めます。まさに健康的なダイエットに役立ちます。

 

   ゆっくりと食事を楽しめることが、或いは、日々の些細な積み重ねが、意外な程、健康に役立つと学ばれます。どうぞ皆様もご一緒に、無理せず愉しんで、些細なことからで大丈夫です。健康に良いと思えることを何か一つ、毎日実行して見て下さい。

どうか、いつまでもお元気で。

 

NRサプリメントアドバイザー 健康予防管理専門士 田中恵子