ご招待させていただきます  

みなさん、こんにちは。

 うららかな好季節を迎えました。

コートの分だけ軽くなった身体以上に、軽くなったように感じる「こころ」。

 

うららか = 麗らか と書きます。

麗らかとは、空が晴れて、日が柔らかくのどかに照っているさまを示し、わたしは春の日向ぼっこのようなイメージが浮かびます。

少し強くなった陽射し、桜が風にかすれる音、沈丁花の香り。

五感すべてが、春の息吹を感じています。

それはまるで、地球からのメッセージのよう。

 

メッセージと言えば、最近、友人の娘さんに届いたメッセージの話を聞きました。

そのメッセージにはこう書いてありました。

『ご招待状』

 

その招待状は、彼女の通う塾からのもので、手渡された彼女はその場で涙したそうです。

進学を目指す子どもたちの通うその塾は、先生たちも熱心に日々の学習に取り組まれています。

これを聞いた私は、「頑張った生徒のやる気をねぎらう懇親会の招待かな」と思いました。

しかーし、その考えが浅はかであったことを告げられます。

 

なんとその招待状は、その日におこなったテストがある一定以下だった子どもに対して手渡される、まさに特訓への切符だったのです。

授業前に行う特別講義にご招待~。

 

昔なら、こう呼んでいたのではないでしょうか。

「補習」。

それは成績不良者に対する追加指導を意味し、招待状というよりは少し強いニュアンスをもって宣告される戦力外通知のような怖さを含んでいます。

「毎日深夜2時まで頑張っているのに、もうどうしてよいかわからない」

彼女は、家について泣き崩れたそうです。

 

それから、10カ月。

サクラサク。

そんな彼女は、この春、希望する居場所を手に入れました。

目標への招待状のおかげかもしれません。

そして何より。

補習への参加呼びかけを「招待状」という名前にした塾の先生方の優しさも感じた話でした。

 

みなさんは、どんな招待状を受け取ったり、出したりしたことがありますか。

招待状は、よくも悪くも、何かの目標に近づくチャンスへの切符かもしれません。

表現はどうであれ、普段の生活で不足している何かを、招待してみませんか?

 

友人への招待状。または自分への招待状を。

何かを終えること、何かを始めること、すべてはきっかけがあって始まります。

2017年の春デビュー。

 

そうそう。

麗らかには、「心にわだかまりがなく、おっとりしているさま」という意味もありました。

新年度を迎え、学校、職場などの人間関係や環境が変わりやすいこの季節。

私の職場でも4名の新しい方をお迎えいたします。

「決しておっとりしている場合じゃないよ・・・」、なんて声も届きそうな春。

 

こころがおっとりすることのできない4月、身体に少しの休息と栄養を。

それでは、みなさま。

めいめいの春をお楽しみくださいませ。