「100年の恋」も1歩から

column_img201609_11みなさん、こんにちは。

残暑は、どこにいってしまったのでしょう?

盛夏に名残り惜しさを感じる今日この頃です。

 

日暮れが早くなり、少し涼しくなると欲しくなるものはありませんか。

それは、温もり。

その温もりは、ホット珈琲であったり、おでんだったり、熱燗だったり。

そして、人の優しさや、人肌だったりするのではないでしょうか。

 

わたくし事ながら、時々出張講座のご依頼をいただくのですが、その名を「いのちの授業」と命名しております。つい先日も、小学高学年の子どもたちといのちについて考える機会をいただき、その中で、「いのちをつなぐ」ことを取り上げて、子どもにいくつかの問いを立ててもらいました。

 

「どうして人を好きになるの?」

「付き合うってどういうこと?」

「いのちはどこにあるの?」

「おっぱいには何が入っているの?」

「モテルにはどうしたら、いいの?」などなど

そして。

「いのちは誰のもの?」

「死ぬってどういうこと?」

なんて哲学的問いまで出てきます。

 

5・6年生にとって、「恋」や「いのち」への関心の高いもの。

真剣に考える姿が頼もしくもあります。

 

みなさんは、これらの問いに戸惑うことなく答えられるでしょうか。

いや~、大人になっても奥が深いテーマばかりです。

 

その中から、今日取り上げたいのは、行動科学者デズモンド・モリスの「親密さの12段階」というものです。

別れるカップルと別れないカップルの話。

 

column_img201609_12モリス曰く、「多くのカップルを観察した結果、別れないカップルは情交において同じような段階を進んでおり、次の段階に進む前に十分な時間をとっていることがわかった」そうです。

モリスは、この段階を「親密さの12段階」としてまとめました。

 

親密さの始まりは?

1.目を身体に  そうです。恋のスタートは、相手を見ることから。

2.目を目に   アイコンタクトが始まり、お互いに気になっている感じが素敵。

3.声を声に   会話はいつか対話になって。

4.手を手に   ドキドキしませんか。

5.腕を肩に   

と、まあ12段階まで到着するのです(・・・紙面の関係上ここまで)。

 

モリスは、「この段階を急いで通過したカップルは分かれやすく、関係を長く続かせたいのであれば、少し時間をかけて各段階を通過していく必要がある。また、すべての過程を繰り返してしていくカップルは、長く別れない傾向にある」と言っています。

 

さて、子どもたちの反応はいかに?

大騒ぎするでもなく、真剣な眼差しで恋のステップを考えていました。

 

面白かったのは、頭をなでるのは手をつなぐ前とか、手をつなぐ前には指をつなぐ、指をつなぐ前には、軽ゴムを交換するといった反面、手をつないだら次はkissする、愛情を確かめるためにkissはできるだけ早くする・・なんて意見が飛び交うことです。

発想は豊かで、純粋で、大人顔負けの討論会となりました。

ちなみに、モテるためにすることでは「イメチェンをする」「大人になる」が多かったのですが・・・。

 

ただ、恋の第1段階の「目を身体に」は誰も間違いませんでした。

i‐phoneの現代も、恋の始まりは相手を見ることから。

相手に関心を寄せることについて考え、ピュアな気持ちになった一日でした。

 

最近、あなたは誰に見つめられましたか? 恋は人生の栄養となるかもしれません。

 

それでは、新しい恋も、温まった恋も。

階段をゆっくりとのぼって、秋と共に深まっていきますように。

 

研究員 前原なおみ