みなさま
2017年、あけましておめでとうございます。
今年の計画はお済みでしょうか?
『一年の計は元旦にあり』とは、よく耳にする言葉ではありますが、この言葉がある文章の一部であることはご存知でしょうか?
諸説ありますが、もとは明代の中国で編纂された『月令広義』という解説書の中の“四計”という項に書かれていたようです。
その四計とは。
一日の計は晨(あした= 朝)にあり。
一年の計は春(正月)にあり。
一生の計は勤にあり。
一家の計は身にあり。
始めの2つの計は、聞かれたことがあるのではないでしょうか。
中国では旧暦が用いられており、元旦は現在の4月にあたります。
ですので、日本での1年の計はやはり元旦にあり。
「勤」とは、読んで字のごとく勤めること。
何かに向かって真面目に努力することで、一生は決まり。
身の振り方や態度で、一家の将来は決まる、と続きます。
私ごとですが、2017年の始まりはカンボジアを旅していました。
アンコール・ワットとその遺跡群を、眺め、感じ、歩いてきました。
世界遺産にも登録され、王都と寺院を意味する『アンコール・ワット』。
その遺跡群の素晴らしさは、やはり計画に在るように思います。
四角く切り出した石を70㎞運び、土砂を積みながら象の力を借りて石を積み上げ、そして土砂を崩しながら彫刻された65メートルの中央塔とそれを囲む4つの塔。
そして、外周には5600メートルで幅190メートルの堀など、30年以上の年月を費やしながら、建立された遺跡。
クレーンやトラックなど重機材のない12世紀に、この壮大さ。計画的でなければできません。
計画が遂行された結果。
だからこそ、アンコール・ワットは人のこころを打つのではないでしょうか。
それから、遺跡のほぼ中央に位置するバイヨン寺院では美しい彫刻の数々と対面しました。
49の観世音菩薩の四面塔は、神秘的な笑みで迎えてくれました。
さまざまな表情をしていながら、どれも包み込むように優しい。
想像してください。
196の笑顔に囲まれている自分を。
笑顔から発せられる、親しみやすさは温かさとなり、こころは軽く身体は元気になりました。
笑顔のシャワーの持つ力。
バイヨン寺院はヒンドゥ教の宗教的建造物ですが、無数の笑顔に包まれることの心地よさも、きっと計画されていたのでしょう。
笑顔は連鎖します。
あなたの笑顔は、わたしの笑顔で。
あなたのしあわせは、わたしのしあわせであるように。
アンコール・ワットは、スールヤヴァルマン2世が自分の死後の幸福を願って「天空の楽園」として建てた遺跡です。
「計画」と聞くと、つい仕事の順序や方法のように思ってきましたが、自分のしあわせのために身の振り方や態度を考えることも計画すべきことだと感じた年始でした。
どんな1年になるか?ではなく、どんな1年にするか。
笑顔になる計画をたくさん立てようと思った始まりでした。
なかなか計画通りに進まないことの多い時代ではありますが、1生の計は我が身にあり。
それでは、
みなさんのしあわせの形が見えるスタートとなりますように。