1.アルコール分解促進効果の発見秘話
前原:
今回はコーンオリゴペプチドの開発について聞かせてください。
陳:
開発といえば、コーンペプチドは、アルコール分解促進効果を期待して開発したものではありません。
そもそも世界の食糧問題解決のために開発しはじめたことはお話しましたね。
そのため、コーンペプチドの初めは、栄養補給や筋肉増強に効果のあるタンパク質栄養剤として市場に出回っていました。
そして、研究を進めるうちに「血圧を下げる」効果が発見されました。
前原:
栄養だけでなく、血圧も下げるなんて。
陳:
高血圧に悩んでいる方は多く、降圧作用により、コーンペプチドはさらに市場に出回りました。
そんな時、飲んでいる方から違う反応が得られるようになったのです。
前原:
どんな反応でしょうか。
陳:
・酔いが早く醒める
・吐き気や飲んだ苦しさが起こりにくい
・たくさん飲んでも、ふらつきや眩暈が起こらない 等です。
前原:
飲酒に関する反応ですか。
コーンペプチドを飲んでいることにより、楽しく、美味しく、しかも翌日のことを考えなくてよいなら、嬉しいですね。
それは、飲むひとだけでなく、飲まない人にも嬉ばれます。
陳:
そうです。
前原:
それは、気持ちの問題で起きたのですか?
陳:
違います
前原:
それでは、コーンタンパク質を摂取することによって、健康状態が良くなったから起きたのですか?
陳:
いいえ、それも違います。
飲んでいる人の、このような反応から、コーンオリゴペプチドのアルコール分解促進酵素に着目し、科学的に証明することができました。
前原:
コーンペプチドを飲んでいる人の声から開発されたということは、嬉しいです。
2.ありえない?? 2つの特許
科学的に証明したことで、変化はありましたか?
陳:
研究成果により、弊社は日本においてコーンペプチドで2つの特許を取りました。
前原:
2つ??
陳:
1つは、アルコール促進効果のある物質の製造方法です。
そしてもう1つは、アルコール促進効果のある物質です。
前原:
特許をとるということはどういうことでしょうか。
陳:
今後もアルコール促進効果のある物質の製造方法は、弊社しか使用できません。
また、アルコール促進効果のあるコーンペプチドは、弊社でしか販売できません。
この2つの特許は、日本では難しく、承認されたことは珍しいことです。
前原:
特許を取るにあたり、工夫したまたは苦労した点を話してください。
陳:
苦労ではありませんが、特に実験の客観性についてたくさんのチェックを受けました。
3.特許①アルコール分解促進効果のある物質の製造方法
陳:
実は、日本では10年前にも、コーンペプチドのアルコール分解効果について特許が申請されていました。
しかし、我々とは製造方法が違うこと、また我々の製品の効果が顕著であったことから、製造方法と製品の2つともに特許申請が認められました。
前原:
研究所独自の製造方法が認められたということですね。詳しく教えてください。
陳:
当研究所のオリゴペプチドは、平均分子量が狭い範囲にあることが特徴です。
グラフをみてください。
陳:
少し細かい説明になりますが、製品の特徴から製造方法の独自性を説明します。
このグラフの縦軸は分子量で、横軸は時間です。
分子量が130から1,000以内で、時間は16秒から26秒に集約されています。
前原:
そうですね。
分子量範囲が130~1000とは、どういうことですか?
陳:
ペプチドが一定しているということです。
前原:
ペプチドはアミノ酸の数が2から10ということは、対談1回目にお聞きしました。
アミノ酸の数が大きくなると分子量は大きくなり、アミノ酸から、ジペプチド、トリペプチド、テトラペプチドとなるんでしたね。
陳:
そうです。
分子量の小さい方から、説明しましょう。
分子量132以下は、遊離アミノ酸で、4.4%しかありません。
分子量132~576は、当研究所が誇るスーパーオリゴペプチドで、これが78.2%を占めています。
分子量が576以上のものは、17.3%で、1,000以下としていますが、700を超えるものはありません。
我々のペプチドは、狭い分子量の範囲にしか存在せず、かつ、非常に吸収効率の良いスーパーオリゴペプチドが8割を占めています。
これにより10年前の申請を上回っていることが評価され、特許を取れました。
4.分子量のありえない小ささ
陳:
ペプチド商品を見たことはありますか?
前原:
薬品店でみかけたことがあります。確か5,000以下と書かれていました。
500と5,000では、一桁違いますね。
陳:
当研究所のペプチドは、500以下です。
当研究所のペプチドは、業界ではありえないほど小さいと言えます。
製品を作るにあたり、一番難しいのはなんだと思いますか?
前原:
うーん。わかりません。
陳:
小さくしすぎないということです。
大きいものを小さくすることは、割と簡単にできますが、「平均分子量が132~576」というところに当研究所のこだわりがあります。
前原:
どんなこだわりですか?
陳:
これ以上分解すると、ペプチドではなく、アミノ酸になってしまいます。
ペプチドであるなら、小さくしすぎることはできません。
我々は、限界に挑戦しています。
例えば、高速で走る車を、崖っぷちギリギリで止めるみたいな挑戦です。
5.特許② アルコール促進効果のある物質
陳:
2つ目の特許の取得もまた、大変難しいものでした。
3回目に、アルコールを分解促進する「薬剤」がまだ存在しないことを話しましたね。この一般常識により、アルコール分解促進の特許は、ほかの特許よりも一層厳しい審査を受けました。
前原:
一般常識を覆すことは、研究者の野望といえそうです。
陳:
研究は、限界に挑戦することでもあります。
前原:
特許取得時はどんな気持ちになりましたか。
陳:
この2つの特許申請により、
・コーンペプチドに関しては、我々の製品が1番進んでいる
・コーンペプチドには、アルコール分解促進効果がある
と認められたことが、とても嬉しかった。
前原:
コーンペプチドの開発は、特別なものを作り出す喜びにつながっているのですね。
6.知りたい、コーンオリゴペプチド製品の違い
前原:
研究所には、独自性を活かした製品があるそうですが。
陳:
我々は、コーンオリゴペプチド製品を2つ商品化しました。
ひとつは、『ペプチドレバー』という製品で、100%コーンオリゴペプチドです。
もうひとつは、『レバープロテクト』という商品です。これは、コーンオリゴペプチドと、ウコンの成分であるグルクミンを配合したものです。
どちらも十分なアルコール分解促進効果があります。
前原:
どちらも効果が十分であれば、製品は一つで良いのではないでしょうか?
陳:
するどいですね。
健康食品は、飲む人によって反応が若干異なるという特徴があります。
コーン100%の方が効果を感じる方もあれば、グルクミンを配合した方が効果を感じる方もあります。
飲む人によって、感じ方は異なり、また飲む人の体質によっても効果が異なるため、選択肢を2つにすることで、自分にあった商品を選んでもらえるようにしました。
前原:
確かに、アルコールの飲み方や種類は、個人差がありますね。
ビールを1杯だけ。10杯だけ。ワインを2本だけ・・・。個人差は大きいですね。
陳:
多くの人は、『ペプチドレバー』つまり、コーンペプチド100%の製品で、十分な効果が得られていました。しかし少数ですが、グルクミンを配合した『レバープロテクト』の方が、顕著に効果が得られるという意見もありました。
前原:
少数とは、どのくらいですか?
陳:
統計は取っていませんが、経験上は10%弱くらいでしょうか。
前原:
両方飲んで比較しないと、その違いはわかりにくそうです。
ですが、ペプチドレバーで十分な効果を得られる人に、レバープロテクトは不要ですね。
陳:
製品を2つにすることで、飲む人が選ぶことができます。研究所としては、より多く人をアルコールの害から解放したいという願いから、タイプの違う製品を開発しました。
7.グルクミンとのカップリング
前原:
ウコンだけの商品も数々ありますが、配合することについてどう考えていますか。
陳:
もちろん、ウコンだけでもよい効果はあると思っています。
そこで、コーンペプチドとウコンの配合に関してこんな実験をしました。
アルコールを飲んだ時のコーンペプチドの効果を“3”としましょう。
ウコンの効果は、“1”としましょう。
2つを合わせると、その効果はどうなりますか
前原:
3+1、4です。
陳:
本来ならそうですが、3+1は4ではなく、5か6になったのです。2つを配合することで、相乗効果が現れました。
また、ウコンから抽出したグルクミンは、漢方として用いられ、大量に摂取することは推奨されていません。飲む量に制限があります。
前原:
漢方にも副反応がありますので。
陳:
その点、コーンオリゴペプチドは栄養食品ですので、安全して飲んでいただけます。
前原:
世界の食料問題の解決の糸口となり、血圧を下げる効果もあり、さらにアルコールの害を減らす効果があるなんて、凄い食品ですね。
陳:
コーンペプチドの開発では、驚きがたくさんありました。
研究では、想像もしていなかった素晴らしい成果が、偶然に得られることもあります。
コーンの研究は、世界の食料問題の解決のために始めましたが、「犬も歩けば棒に当たる」のような嬉しい誤算がたくさんありました。
前原:
金の延べ棒に当たったようですね。
でも、コーンとヒトの出会いは、偶然ではなく“必然”なのかもしれません。
ありがとうございました。