残念でない生き物:ダチョウに学ぶ

 

みなさま、こんにちは。

 

すっかり秋になりましたが、いかがお過ごしでしょうか。

 

秋の魅力について、清少納言は「夕暮れ」と詠みましたが、心地よい風もまた秋の風物詩と言えます。

 

先日、100万本のコスモス園を訪れました。背丈ほどのコスモスが秋風に一斉にそよぐ様は、猛暑に疲れたこころと身体を癒してくれました。

 

みなさんはダチョウの卵を見たことがありますか?

 

 

敬老の日のギフトを検索していたところ、小さなブームになっているという『ダチョウの卵』を発見しました。

ダチョウの卵は大きいもので2kgあり、鶏卵30個を超える重さです。

 

幼鳥を成育させるための必須アミノ酸やビタミン、ミネラルなど栄養バランスが良く、人間に不足しがちなカルシウムやマグネシウムも豊富な上、カロリーが低く、血圧や血糖、コレステロールや骨粗鬆症が気になる高齢者の方にお勧めと説明されていました。

 

そもそもダチョウは鳥類ですが、「竜骨突起」と呼ばれる飛ぶための部位が退化しているため、地上で生活しています。平均身長2.5m、体重120㎏の巨大な生物ですが、時速50㎞で1時間連続して走ることが可能で、最高速度は時速70㎞。

 

チーターは、最速で400mしか走れないと言われていることからも、ダチョウの蓄えているエネルギーがいかに膨大で、効率よく利用できるかがわかります。

 

 

ダチョウを調べていると、興味深いことが分かりました。

 

1つ目は、眼玉は1個60gなのに、脳が40gであること。

 

そのため、記録力や判断能力はかなり悪く、本能で生存している動物と言われています。

脳よりも重い目玉は飛び出しており、そのため遠くの外敵を早く察知して、俊足で逃げることで生き延びられたのでしょう。

 

2つ目は、共同営巣を認め、托卵していること。

 

一般に、鳥類はヒナが孵るまで、仲間であっても巣に近づけないようにしますが、ダチョウは他のメスが近づいて来ると、立ち上がって自分の巣に卵を産ませます。

メス同士が争うことで卵や自分が傷つくことを回避するとともに、他のメスが生んだ卵を外側に配置することで、自分の卵を守る手段にします。

 

ダチョウの卵の説明書には、「卵を割るときは金鎚と釘を用意してください」と書いてありました。

そのくらい強固な殻に覆われているため、外敵はすべての卵を食べることがなく、巣に卵が多いほど自分の卵が生き残る可能性が増えるからです。

 

3つ目は、感染予防効果です。

 

京都府立大学が率いる研究チームでは、新型コロナウイルスを注射したダチョウの体内で産生される抗体を卵から取り出して“ダチョウ抗体”として製品化しています。

 

“ダチョウ抗体を使用したマスク”や“ダチョウ抗体を含有した鼻腔スプレー”の感染予防効果は明らかで、東京都内では“ダチョウ抗体を含有した鼻腔スプレー”をオンライン診療で処方してくれるところがあるそうです。

 

ダチョウは、『ざんねんな生き物辞典』という本でも紹介されていますが、残念なことばかりではなく、生存できる優秀な鳥と言えそうです。

 

そこで、今回ダチョウに学んだこと

 

1.脳ばかり発達させるのではなく、本能や感覚器を磨く

2.公助・共助は、種の保存のためになり、自分のためにもなる

3.ウィルスとの付き合い方は、自然界に解決策があるかも

4.何より、栄養が大事

 

ということを、秋風を受けながら考えました。

 

さて、ダチョウの卵は栄養価が整っていても、1個4000円から6000円です。

毎日は、ちょっと・・・ですねぇ。

 

季節の変わり目は、抵抗力が弱まり、体調を崩しやすくなりますが、“ダチョウ抗体”を入手できなくても、ペプチド栄養バリアーも効果ありですから、どうぞご安心を。