要旨
【目的】
健康食品として開発する前提において、安全性評価は重要であり、本実験では、ラットにマリンオリゴペプチドの90日間連続強制投与を行い、安全性に関する研究を行った。
【方法】
体重80~100gのSDラット200匹を選択し、陰性対照群と4段階のマリンオリゴペプチド投与量群(1, 1.25, 2.25, 4.5, 9.0g/kg.bw、人推奨用量の25, 50, 100, 200倍)の5群に各40匹(雌雄各20匹)ずつに分け、目的濃度に希釈したマリンオリゴペプチドを毎日一回、1ml/100g体重を同時刻にラットに90日間連続強制投与を行い、一般観察ならびに血液生化学検査を行い、群間比較に基づき統計解析を行った。
【結果】
本実験期間内に各投与量群および陰性対照群ラットの外観や行動、糞便性状、食事量等に異常はなかった。中毒症状と死亡もなかった。体重に於いても陰性対照群と比べて有意差はなかった(P>0.05)。
30日後の血液検査では、雄性の9.0g/kg.bw投与群のALT、4.5g/kg.bw投与量群のAST値、ならびに各投与群の血中尿素窒素BUN値、1.125g/kg.bw投与群のクレアチニンCr値、2.25g/kg.bw投与群の血糖値、2.25g/kg.bwおよび4.5g/kg.bw投与群のTG値を陰性対照群と比較すると、有意差が認められた(P<0.05)。しかしながら、すべての検査値は既知報告の参考値の範囲内であった。他の検査項目に関して、陰性対照群との比較に有意差はなかった。
90日後の尾静脈採血による血液検査の結果では、雄性の9.0g/kg.bw投与量群のBUN値および血糖値に陰性対照群に比べ有意差が在った(P<0.05)。が、すべての検査値は既知報告の参考値の範囲内であり、他の検査項目に関して、陰性対照群との比較に有意差はなかった。
【結論】
マリンオリゴペプチドを90日間ラットに毎日連続投与を行い、各検査項目の結果のとおり、陰性対照群と比較分析を行ったが、異常は認められなかった。本実験では、マリンオリゴペプチドを人推奨用量の200倍、100倍、50倍、25倍の各用量で90日間連続投与を行ったが、マリンオリゴペプチドに関する有害事象はなかった。