要約
[目的]
マリンオリゴペプチド(MCP)をラットに長期間連続投与し、その老化プロセスに於いて、腫瘍の自然発生に対する効果を研究した。
[方法]
離乳初期の4週齡SDラットを、MCPの投与量により4群(0 %、2.25 %、4.5 %、9 %)に無作為に分け、その経過を調査した。各群ラットの飼料に、0 %、2.25 %、4.5 %、9 %のMCPをそれぞれ混入し、腫瘍の発生状況と生存期間に及ぼす影響について観察を行った。
[結果]
4.5 % および9 % のMCP、中・高投与量群の雄性ラットで、腫瘍の自然発生が、有意に、ある程度低下した。同時に、9 % のMCP高投与量群の雌ラットでも、ある程度有意な低下が確認された。
乳房に腫瘍ができるまでの時間とその成長に、有意差は無かった。が、MCP、2.25 % と4.5 % の低・中投与量群の雌のラットでは、腫瘍体積の減少に有意差が確認された。また、雄のラットで、MCP9% の高投与量群において生存期間を有意に延長させた。MCP投与により、腫瘍を原因とする死亡は、全体的に減少傾向を示した。
[結論]
MCPの長期連続投与による実験結果は、SDラットに於ける腫瘍の自然発生を、ある程度抑制させた。