[論文No.0010] マリンボーンオリゴペプチドの30日間反復投与実験報告

要旨
【目的】
 健康食品として開発する前提において、その安全性評価は最も重要である。本実験では、魚骨由来マリンボーンオリゴペプチドによる雄性ラットの30日間飼養実験を行い、その安全性について研究を実施した。

【方法】
 体重45~55gのSD幼若雄ラット40匹を、一週間の適応飼育後、陰性対照群と三つの投与量群(1.5, 3.0, 6.0g / kg.bw、人推奨用量の30, 60, 120倍)に各群10匹ずつを分け、目的濃度に希釈したマリンボーンオリゴペプチドを1ml/100g体重で、毎日一回、同時刻に30日間連続投与を行った後、生化学的指標ならびに各組織の病理検査により、マリンボーンオリゴペプチドの安全性について、群間比較をもとに分析を行った。

【結果】
 マリンボーンオリゴペプチドを投与した期間内に、各投与群と陰性対照群の外観や行動、糞便性状や摂食量に異常所見は認められず、中毒症状と死亡はなかった。一週間ごとの体重増加や食物利用率に関して、陰性対照群と比較したが有意差はなかった(P >0.05)。30日間の摂食総量と総体重増加、総食物利用率にも有意差はなかった(P >0.05)。
血液検査の結果では、陰性対照群に比べ、6.0g/kg.bw投与量群の白血球数が有意に減少した。3.0g/kg.bwと6.0g/kg.bw投与量群ラットの血中好中球の割合が有意に高かった(P<0.05)。が、いずれの場合にも既知報告の参考値の範囲内であり、他の血液検査項目に関して有意差はなかった。
生化学指標検査では、1.5g/kg.bw、3.0g/kg.bw、6.0g/kg.bw各投与量群ラットのASTに陰性対照群と比べ、有意な低下が見られた(P <0.05)。 1.5g/kg.bw と6.0g/kg.bw投与量群ラットの血中尿素窒素濃度にも有意な低下が見られた(P <0.05)。3.0g/kg.bw と6.0g/kg.bw 投与量群ラットの血糖値を陰性対照群と比較すると有意に上昇した(P<0.05)。1.5g/kg.bwと6.0g/kg.bw投与量群ラットの総蛋白質量を陰性対照群と比較すると有意な低下が見られた(P <0.05)。6.0g/kg.bw投与量群ラットのアルブミン値を陰性対照群と比較すると有意な低下が見られた(P<0.05)。が、いずれの場合も既知報告の参考値の範囲内であった。他の生化学検査項目については、各投与量群と陰性対照群を比較したが、いずれも有意差は見られなかった。
系統解剖を行い、各投与量群と陰性対照群ラットの各臓器に顕著な病理変化は認められなかった。3.0g/kg.bw投与量群ラットの肝臓湿重量を陰性対照群と比較すると有意に高かった。(P<0.05)。他の各投与量群ラットの臓器湿重量ならびに臓器体重比率に有意差はなかった。
病理検査では、各投与群ラットの肝臓、脾臓、腎臓、胃、十二指腸、生殖腺(精巣)等の臓器に病理的変化は認められなかった。細胞の変性や萎縮、線維化やアポトーシス、充血や炎症、壊死、或いは浸潤や増殖等の変化は認められなかった。粘膜の状態は良好で、糜爛や潰瘍、充血、水腫、出血、炎症反応等は見られなかった。生殖器官では、精細管内での各分化過程の精原細胞および成熟した精子数や形態は正常で、基底膜や間質細胞に明らかな変化は認められなかった。

【結論】
 マリンボーンオリゴペプチドの雄ラット30日間投与実験において、人推奨用量の120倍、60倍、30倍の投与を行い、一般行動や諸徴候、体重、食物利用率、血液検査、生化学検査、系統解剖、組織病理学等の項目から陰性対照群と比較検討したが、本実験の条件において、最大、人推奨容量の120倍のマリンボーンオリゴペプチドの摂取においても有害事象は認められなかった。


[論文No.0010]魚骨由来マリンオリゴペプチドのラット30日間飼養研究報告

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