誘惑の科学

みなさん、こんにちは

令和となり2ヶ月、違和感もなくなってきた今日この頃です。

人生は何かと誘惑があります。みなさんは、最近どんな誘惑を受けましたか?

 

誘惑への耐性を知るために、1970年にスタンフォード大学で行われた「マシュマロ・テスト」と呼ばれる実験をご存じですか?

より大きな成果を得るために目先の欲求を我慢できるかどうかを調べた実験です。

 

ではここで、想像してください。

あなたは、幼稚園に通う4歳児です。

先生に部屋に連れてこられて、椅子に座るように言われました。

部屋には机と椅子だけがあり、机の上には、甘くてとろける美味しいお菓子(マシュマロ)が1つ乗っています。

先生はこう言いました。「私はちょっと用事があるの。お菓子はあなたにあげるけど、私が戻ってくるまで15分食べるのを待っていて欲しい。15分我慢できたら、もう一つお菓子をあげましょう。もし、私が帰ってくるまでにお菓子を食べたら、二つ目はありません」。

先生は出て行って、あなたはひとりになりました。

 

さて、大好きなお菓子を目の前にした幼ないあなたは、どう行動したでしょう?

2つめお菓子はもらえるでしょうか。

 

調査結果では、先生が出ていった直後にお菓子を食べた幼児はとても少なかったそうです。

3分の2の子どもは、15分待てずお菓子を1つ手に入れました。

3分の1の子どもは、15分待ってお菓子を2つ手に入れました。

 

お菓子を1つもらった子どもは、もぞもぞ、そわそわ、ウロウロし、髪の毛を引っ張ったり、お菓子をつまんだり、何かしらお菓子に関心を示し続けました。

お菓子を2つもらった子どもは、お菓子から目を反らし、背中をむけたりしました。

この実験で面白いのは、お菓子から関心を反らせない子どもは誘惑に勝つことができないということ。つまり、誘惑に勝つには、意識から追い出してしまうことが1番の方法のようです。

 

さて、この実験の続きを考えてみました。

この実験を成人にやってみたらどうでしょう。

個人的関心によって、20歳前後の100名にマシュマロテストの状況を説明し、自分の行動を予測してもらい、挙手で調査をしてみました。

 

すると、3分の2の学生は、2つ目のお菓子をもらうことができないと答えました。

また、3分の1の学生は、2個目のお菓子をもらうことができると答えました。

結果は幼児の調査と同じ割合でしたが、幼児と違うのは、食べるまでの時間です。

成人の調査では「すぐに食べる」「3分以内には食べる」など、食べるまでの時間が短く、我慢行動が見られない学生が多く含まれていたことです。

すぐ食べる理由では、

「最後には、自分のものになるので我慢する必要がない」

「自分の性格では、どうせ最後まで我慢できないから、我慢するのは無駄」

「先生が帰ってくるまでに地震があったり、隕石が降ってきて食べられないと損」

さまざまな理由らしき理由が報告されました。

 

気持ちを逸らすことができなかった幼児は誘惑に負け。

自分なりの解釈で理由をつけた成人は誘惑に負ける。

 

日本の1年離職率は約15%で、ここ5年間ほぼ一定しています。

退職理由には、人間関係や体力の問題があげられていますが、その裏には「ゲームがやめられない」「ごろごろがやめられない」「無料漫画がやめられない」といったこれまでの生活で培った誘惑に勝てない生活様式が社会問題として取り上げられています。

仕事に行くよりも、楽しみたい、楽をしたいという誘惑は、マシュマロのように甘美ですもの。

 

例えば、1ヶ月に100本の電話をかける仕事があるとして

できない理由を考えることは簡単。

できない理由ではなく、できる方法を考えることができれば。誘惑に勝てますね。

例えば、毎日の続ければ健康な身体が手に入るとして

毎日できる方法を考え、誘惑に勝てれば、目標は達成されるでしょう。

 

今年の梅雨は遅れていますが・・・。

雨にも負けず、風にも負けず、誘惑にも負けず。目標への一歩を楽しんでください。