「第30回 日本静脈経腸栄養学会学術集会」学会発表のお知らせ

ペプチドに関する研究で、弊社のパートナーであるサラヤ株式会社ケミカル研究所と大阪大学医学部における共同研究が成果を収めつづけております。

 

この度、その中間結果が世界的に権威のある「第30回 日本静脈経腸栄養学会学術集会」にて発表されることとなりました。

 

■第30回 日本静脈経腸栄養学会学術集会

「臨床栄養の最前線~エビデンスとガイドラインに基づいた臨床経験の共有」

会期:2015年2月12日(木)・13日(金)
会場:神戸国際会議場・神戸国際展示場・神戸ポートピアホテル
会長:井上 善文
  (大阪大学臨床工学融合研究教育センター 栄養デバイス未来医工学共同研究部門 特任教授)

 

■共同研究の発表

場所:神戸ポートピアホテル 本館 B1F 偕楽
日時:2015年2月13日(金)15:50~16:50
座長:千葉大学大学院臓器制御学外科学 古川勝規

●一般演題(口演)11 周術期栄養管理
「周術期栄養管理におけるペプチド製剤(PN-2)の安全性と有用性について
安枝明日香(大阪大学大学院医学系研究科生体機能補完医学講座)、他」

 

■興味のある方は、JSPENのホームページをご覧下さい。

JSPENのホームページ

 

■発表の内容

「0-53 周術期栄養管理におけるペプチド製剤(PN-2)の安全性と有用性について」


大阪大学大学院医学系研究科生機能補完医学講座
大阪府立急性期・総合医療センター 消化器外科 栄養管理


安枝明日香 宮崎 進 松田 宙 團野克樹 久保田勝
川田純司 山根泰子 隈本理香 藤谷和正 岩瀬和裕 伊藤壽記


【目的】ESPEN(欧州静脈経腸栄養学会)の提唱するEnhanced Recovery after Surgery(ERAS)の概念は術後の回復促進に役立つケアを統合的に集約したものであるが、中でも術後早期の栄養状態はその後の回復に重要であると考えられている。また、ジ及びトリプトペプチドはアミノ酸に分解されず腸管吸収されるため、遊離アミノ酸と比較して吸収速度が速いことが知られ、機能性食品として期待される。一方、術後創感染の頻度が高い下部消化管疾患手術では創傷治癒促進、創感染リスク低減効果のできるペプチド製剤が有用であると考える。本研究では製材周術期投与の安全性・有効性について、ペプチド含有製剤PN-2(サラヤ株式会社)を用いて研究した。
【方法】下部消化器がん術前患者20名を無作為に摂取群、非摂取群に割りつけた。両群ともに、介入前、手術直前、術後飲水が可能になった7日後に身体計測、血液検査(血液、生化学、免疫指標、アミノ酸分析)、症状に関するアンケートによる調査を実施した。摂取群は製剤12.5g/包を術前7日間、術後7日間、3包/日摂取し、両群を比較、体内動態について検討した。
【結果・展望】現在、目標症例数20例に対して16例の登録が完了している(2014年7月末日)。現在まで、摂取群全例で製剤の摂取が可能であり、CTCAEv4.0を用いた安全性評価では有害事象は認めていない。試験進行中のため、詳細については発表内に提示することにするが、期待される結果としてはアミノ酸分析による創傷治癒マーカー、ハイドロキシプロリン値の摂取群における上昇、各種栄養評価項目の術後値低下防止、炎症マーカーの早期陰性化、在院日数の短縮などである。ERASプロトコルにおける良好な栄養状態維持による早期回復を目指す考えのもと、術後期投与の安全性・有効性を検討し、報告する。