[論文No.1012] マリンオリゴペプチドの構造分析

要旨
マリンオリゴペプチドは無汚染海域のサケ皮を原料とし、最先端技術である生物酵素分解法により精製された、分子量1000Da以下のオリゴペプチドの混合物である。グリシンやグルタミン、アスパラギン酸やプロリン、およびアラニン等を多く含み、降圧効果、抗酸化作用、美白効果、抗老化作用等の生理活性効果を保有し、健康食品や保健機能食品、化粧品等に広く活用されている。

 Waters社製、C18ペプチド分離専用ゲルクロマトグラフィーを利用し、勾配溶離法にてマリンオリゴペプチドを分離浄化し、エレクトロスプレーイオン化質量分析と飛行時間型質量分析の双方を用い、機能付スペクトル分析器を用いて成分のMS/MSスペクトルのフラグメントイオンの解析を行った。

 マリンオリゴペプチド中のグリシン、グルタミン、アスパラギン酸は生理活性機能の調整に重要な効果が期待されており、8種類の必須アミノ酸と2種類の準必須アミノ酸の総量は、33.70%と高かった。マリンオリゴペプチドは、必須アミノ酸量が豊富で、上質のアミノ酸源であった。同時に、AA(Ala-Ala)を主成分とする均一な成分内容で、高品質な状態が確認された。