[論文No.0037] コーンオリゴペプチドの安定性についての研究

要旨
【目的】
コーンオリゴペプチドを製造するにあたり、温度やpHの変化、ヒト生体内での胃腸環境が、その機能的特性にどのような影響を与えるか、研究を行った。

【方法】
工業化レベルで生産したコーンオリゴペプチドを対象に、種々の温度、pH値、および消化方法でサイズ排除HPLC法により、コーンオリゴペプチドの132U、132 – 576u、5762 – 1000u等の各分子量範囲内での比例変化を検出した。また、逆相高速液体クロマトグラフィーにより、コーンオリゴペプチド(1 mg / ml)のACE阻害活性を測定した。

【結果】
(1)20℃、40℃、60℃、80℃、100℃で各2時間水浴後、コーンオリゴペプチドの各分子量範囲の割合変化は2%を超えることなく、ACE阻害率は69.42%―73.15%のままであった。
(2)pH値の変化では、37℃で2時間水浴後、3,5,7,9,11の各pHで、コーンオリゴペプチドの各分子量範囲内での割合変化は1%を超えることなく、ACE阻害率は68.17%- 71.11%のままであった。
(3)ペプシンの単独消化、トリプシンの単独消化、更にペプシン+トリプシンの各単独消化に於いて、コーンオリゴペプチドの各分子量範囲内での割合変化は5%を超えることがなく、ACE阻害率は64.17%- 69.26%で維持されていた。

【結論】
温度ならびにpHの変化により、コーンオリゴペプチドの組成ならびにACE阻害活性に及ぼす影響は少なかった。このことは、熱に対する安定性、pHに対する安定性、消化過程での安定性に優れた適応性を確認させた。
以上より、コーンオリゴペプチドを機能性食品として用いる場合には、コーンオリゴペプチドは、胃腸環境からの影響をほとんど受けず、生体内において、本来の機能を再現すると考察された。